JPX

運営会社:ブロードマインドは
東証グロース市場に上場しております。

Powered By
b-minded

マネプロトップ > コラム > その他 > ライフプラン手当ってお得?仕組みやメリット・デメリットをFPがわかりやすく解説

ライフプラン手当ってお得?仕組みやメリット・デメリットをFPがわかりやすく解説

その他

勤めている会社に「ライフプラン手当(選択制企業型DC)」という制度があり、どのような制度か不思議に思っている方もいるのではないでしょうか。

ライフプラン手当は老後の資産形成を助けてくれる制度であり、うまく利用することで税金や社会保険料を抑えながら将来の年金額を増やすことができます。

本記事ではライフプラン手当の概要やメリット・デメリット、制度を利用することでどのくらいの節税や資産形成ができるのかを解説します。

監修者
監修者増田 諒

全国に約900世帯、約1,300名のクライアントを抱えるファイナンシャルプランナー。

年間100世帯を超える個別相談を行いながら、「ライフプランニング」「資産運用」「保険」「確定申告」「住宅ローン」「相続」等のテーマのセミナーで人気講師を務める。

【保有資格】
・MDRT入賞7回 ・TLC(生命保険協会認定FP) ・CFP ・IFA(証券外務員1種) ・ファイナンシャルプランニング技能士1級 ・宅地建物取引士 ・貸金業務取扱主任者

将来のお金の悩み、何でも
マネプロに相談しよう
マネプロとは?

特定の金融機関に偏らない立場で、幅広い選択肢からお客様に最適なものをご案内する“おかねのプロ“です

ライフプラン手当とは

ライフプラン手当(LP手当)は別名で「選択制企業型DC(確定拠出年金)」とも呼ばれる、老後の資産形成を支援するための制度です。企業によってはシニアライフ手当やライフプラン支援金といった名称で呼ばれることもあります。

給料の一部を選択性企業型DCに拠出することを従業員自身が選択できる制度であり、福利厚生の一環として一部の企業で導入されています。

確定拠出年金は、拠出した掛金とその運用益の合計額をもとに、将来の給付額が決まる私的年金制度のことです。確定拠出年金には、掛金を事業主(会社)が拠出する「企業型確定拠出年金(企業型DC)」と、加入者自身(個人)が拠出する「個人型確定拠出年金(iDeCo)」があります。

企業型確定拠出年金とは、会社のお金で将来のための資産形成ができる制度です。事業主(会社)が月55,000円を限度に拠出し、加入者(従業員)が投資信託や保険などの商品を選んで運用します。

選択制企業型DCとの違いは、「誰が掛金を拠出するか」です。通常の企業型確定拠出年金は事業主が拠出するところ、選択制企業型DCは給与の一部を天引きする形で掛金を拠出します。

つまり、ライフプラン手当は、給料の一部を今受け取るか、運用して将来に受け取るかを選べる制度ということです。

ライフプラン手当の仕組み

ここからは、ライフプラン手当の基本的な仕組みをご紹介します。ライフプラン手当を活用しようか迷っている方は、仕組みを理解したうえで検討を進めるといいでしょう。

知っておきたい仕組みには「掛金」や「運用方法」があります。

・掛金は給与からの天引きになる

ライフプラン手当を利用して選択制企業型DCに拠出すると決めた場合、ライフプラン手当分の給料は受け取れなくなります。自身が指定した金額が企業型DCの掛金になるためです。

なお、同じく従業員が掛金を出す制度に「マッチング拠出」もあります。マッチング拠出とは、本来は企業が拠出する企業型確定拠出年金の掛金について、従業員が上乗せで拠出できる制度のことです。

ライフプラン手当は給与からの天引きとはいえ事業主が拠出する扱いですが、マッチング拠出については従業員個人が拠出するという点で異なります。

・運用方法は従業員が決める

ライフプラン手当は選択制企業型DCに給与天引きで掛金を拠出する制度ですが、運用は企業やどこかの組織が代行してくれるわけではありません。

掛金の運用方法は従業員が自ら決めることになり、運用したお金を60歳以降に受け取って老後資金に充てることになります。運用できる商品には「ローリスク・ローリターン」の定期預金から「ミドルリスク・ミドルリターン」の投資信託まで、企業によってさまざまなラインナップがあります。

運用方法によっては将来の受取金額が掛金よりも少なくなる可能性もあり、投資に関する知識を従業員自らが身につける必要があります。

個人型確定拠出年金(iDeCo)との違い

個人型確定拠出年金(iDeCo)とは、個人で老後資金に備えるための私的年金制度です。

掛金の拠出も運用も全て自分で行い、将来60歳になってから受け取ったお金は老後資金として活用できます。

ライフプラン手当との決定的な違いは、個人でも加入できることです。ライフプラン手当は所属する企業が制度を導入していなければ利用することはできませんが、iDeCoは条件を満たした個人なら誰でも資産運用を始めることができます。企業に勤めていない自営業の方はもちろん、専業主婦や無職の人でも加入できます。

また、個人で掛金を拠出するiDeCoでは、掛金の全額が所得控除の対象になります。所得税率10%の人が年間で24万円を拠出した場合、住民税と合わせて年48,000円が税金から控除されることになります。

iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)とは?3つのメリットや仕組みをわかりやすく解説

退職金との違い

企業によっては、退職時に退職金を受け取ることも可能です。定年退職時に受け取ることで、将来の老後資金に充てることができるのはライフプラン手当と同様です。

ただし、「自分の意思で運用できるか」という点でライフプラン制度とは異なります。ライフプラン制度は掛金の拠出額や運用方法を自分で選択することになり、うまく運用できれば元の掛金よりも大きく受取額を増やすことも可能です。一方の退職金は企業が従業員の退職に備えて準備しておくものであり、従業員が自由に運用することはできません。

また「ポータビリティ制度」の有無も違いです。退職金は転職などで途中退職になった場合は積立がストップし、一部しか受け取ることができません。一方のライフプラン手当はポータビリティ制度があり、転職先でも同じライフプラン手当の仕組みがあれば継続して運用することができます。

退職金のおすすめの運用方法とは?失敗しないコツもFPが解説

厚生年金基金との違い

厚生年金基金は、会社員や公務員が厚生年金基金に加入することで利用できる制度です。掛金は従業員の負担で、そこに企業が掛金を上乗せすることで年金を運用することができます。

ライフプラン手当との違いは、「運用方法の選択肢の有無」です。

厚生年金基金は企業がまとめて運用機関に信託するため、従業員は運用方法を自分で決めることができません。

ライフプラン手当は前述のとおり、運用方法を自分で決めることができます。リスクをとらずに堅実にコツコツと掛金を増やすのか、ある程度のリスクをとって元本割れの可能性がある代わりに大きな利益を狙うのかなど、自分の意思で運用方法を決めることができます。

確定給付型年金との違い

確定給付年金とは、将来に受け取れる金額が元から決まっている年金制度のことです。

ライフプラン手当と同じ企業年金ですが、運用に失敗しても会社が資金を補填する形で事前に決まった金額を老後に受け取ることができます。

運用に失敗して受取額を大きく減らすリスクがなく、将来の受取予定額を確実に受け取りたい方には魅力に感じるでしょう。ただし、ライフプラン手当のように、自分の意思で運用して予定を超える金額を受け取るようなことはできません。

マイナスになっても自己責任というリスクを取るか、取らないかがライフプラン手当と確定給付型年金の違いです。

ライフプラン手当を利用して資産形成をすることのメリット

ここからは、ライフプラン手当を利用することのメリットを解説します。

給与天引きで資産形成を進めることによって得られるメリットは、主に以下の4つです。

税制優遇措置を受けられる

選択制企業型DCでは給与の一部を運用に回すか、そのまま受け取るかを選択できますが、運用に回すことで節税につながるメリットがあります。

ライフプラン手当として拠出した分は給与の手取り額が少なくなるため、所得税や住民税などを計算する際の標準報酬月額や課税所得が圧縮されます。その結果、標準報酬月額や課税所得から算出される所得税や住民税、社会保険料の金額が安くなります。

また、ライフプラン手当で運用して利益が出た場合、全額が非課税になります。ライフプラン手当を利用しないで株式などに投資した場合、これらの税制優遇のメリットは得られません。

資産運用をしながら税金や社会保険料を減らし、手取り額の増加の役に立つ点がライフプラン手当のメリットです。

口座を管理するための手数料がかからない

個人で資産運用をした場合、口座管理のための手数料が必要になることがあります。

例えば個人型確定拠出年金(iDeCo)では、毎月の口座管理手数料が発生します。金額は証券会社によっても異なりますが、例えば楽天証券の場合は毎月171円、年間で2,052円の口座管理手数料が発生します。運用する商品がローリスク・ローリターンの定期預金のような商品の場合、運用で得る利益よりも手数料のほうが高くなる可能性もあるので注意が必要です。

一方のライフプラン手当では、口座を管理する手数料はかかりません。コストを気にせずに長期間の資産運用をすることができます。

ポータビリティ制度で転勤時も持ち運び可能          

ライフプラン手当のメリットは1つの会社だけの積み立てだけでなく、ポータビリティ制度で持ち運びができるところです。

ポータビリティ制度は転職時に年金資産を転職先の会社に移せる制度のことであり、運用の手を止めることなく次の会社に持ち出すことができます。

仮に転職先の企業にライフプラン手当がなかったとしても、個人型確定拠出年金(iDeCo)に移管することは可能です。

転職先にライフプラン手当の制度があってもなくても運用を続けることができ、効率的に資産運用を進めることができるでしょう。

ライフプラン手当にはデメリットもある

ライフプラン手当は自分の給与の一部を将来に向けて資産運用しながら、税金や社会保険料を節税できるメリットがあるのは紹介したとおりです。

一方、以下のようなデメリットがあることも覚えておきましょう。

元本割れのリスクがある

ライフプラン手当に拠出する金額をどのように運用するかは従業員が自分の意思で決めることができますが、なかにはハイリスク・ハイリターンの運用方法もあります。

投資におけるリスクは「値動きの幅」という意味であり、ハイリスクな投資商品は大きく値上がりする可能性がある分だけ、大きくマイナスする可能性もあります。

運用の結果次第では、拠出した投資元本よりも将来的に受け取れる金額が下回る「元本割れ」が起こる可能性もゼロではありません。

仮に元本割れが起こっても自己責任であり、失ったお金が補償されることはありません。自分自身がどれくらいの金額のマイナスに耐えられそうかを考え、リスク許容度に見合った資産運用をすることが重要です。

原則として60歳まで受け取れない

ライフプラン支援金は年金の一種であり、積み立てたお金は自由に引き出せません。引き出せるのは原則として60歳になって以降です。仮に「ボーナスが今までの半分になって住宅ローン返済ができない」といったピンチのときでも、iDeCoからお金を引き出せないことは事前に把握しておきましょう。

ライフプラン手当に拠出する金額を決めるときは、その手取りがずっと減り続けても問題なく生活できることを確認しておきましょう。

自由に使えるお金を全てライフプラン支援金に充てるのではなく一部を預貯金に回すなど、万が一の金欠のときにすぐ使えるお金の準備を進めることも大切です。

社会保障給付や年金が減少する

ライフプラン手当に拠出した金額は給与とはみなされないため、税金や社会保険料を圧縮できるメリットがあります。一方、将来の年金や社会保障給付が減額になる点はデメリットです。

厚生年金の受取額は年収によって変わるため、ライフプラン手当に拠出すると受取額が減額になる可能性もあります。

健康保険の傷病手当金、出産手当金、労災給付などの金額も標準報酬月額が低くなると減少するため、出産・育児・介護で会社を休む予定の女性などの場合は影響が出るかもしれません。

ライフプラン手当を活用するとどのくらいお得になる?

ライフプラン手当は税金や社会保険料が減るうえに、資産運用で将来の受取額を大きく増やせる可能性があります。

ここからは、税金の削減効果や将来の受取額など、どのくらいお得になるかをシミュレーションしていきましょう。

税金と社会保険料の削減額

毎月2万円、年間で24万円をライフプラン手当に拠出した場合、税金と社会保険料がどれくらい減額されるか計算してみましょう。

【前提条件】
・年齢は41
・年収は600万円
・拠出する場合の毎月の拠出額は2万円

拠出しなかった場合 拠出した場合
月収 500,000円 480,000円
年収 6,000,000円 5,760,000円
厚生年金保険料 549,000円 516,060円
健康保険料 354,600円 333,324円
雇用保険料 36,000円 34,560円
所得税 127,300円 111,600円
住民税 244,800円 229,100円
手取り 4,688,300円 4,535,356円

毎月2万円を拠出することで手取りは約15万円が減少します。

一方で拠出した金額は年間24万円なので、所得税、住民税、雇用保険料などの軽減効果とあわせて年間約9万円を圧縮できた計算になります。

また、15万円ほど手取りが減少しているといっても、拠出したことによる積立資産が年間24万円あるため、実質的にはその差分の9万円が増加したと見ることもできます。

企業型DCで運用した将来の受取額

次に、拠出した企業型DCの運用結果をシミュレーションしてみましょう。運用によってどれくらいの利益を得られるかは、どのような商品に投資するかによって変わります。

今回は世界最大クラスの機関投資家といわれる「年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)」のポートフォリオを参考に「国内株式」「国内債券」「外国株式」「外国株式」の4種類に投資できる投資信託に25%ずつ分散投資していると仮定します。

2001年度~2023年度第3四半期までの運用結果は年率で+3.99%なので、3%と仮定して計算してみましょう。

毎月2万円ずつ積み立てて年率3%で30年運用したと仮定すると、投資元本は720万円です。一方の年金受取額は約1,160万円になっており、今回の試算では30年の運用で440万円の利益を得られる計算です。

参考:ファンドの海|積立と複利計算

ライフプラン手当はiDeCoとの併用も可能

企業型DCはそれ単体だけでなく、個人型確定拠出年金(iDeCo)との併用も可能です。

併用する場合の掛金の上限額は以下の通りに決まっています。

  • ・企業型DCのみに加入している方:企業型DCは月55,000円、iDeCoは月20,000円まで
  • ・企業型DCと確定給付年金などの他制度に加入している場合:企業型DCは月27,500円、iDeCoは月12,000

iDeCoで拠出した金額は全額が所得控除になり、企業型DCのみのときよりもさらに大きな税制メリットを得られるでしょう。

まとめ

ライフプラン手当で積立投資に回す分は給与とはみなされず、社会保険料や税金が安くなるというメリットがあります。

資産運用を成功させれば、将来の年金額を大きく増やすことも可能です。節税をしながら将来の年金不安を解消したい方で、企業にライフプラン手当の仕組みがあれば始めるのを検討してはいかがでしょうか。

資産運用の進め方やライププラン手当の制度に不安なことがあれば、ファイナンシャルプランナー(FP)に相談してみてください。

将来のお金の悩み、何でも
マネプロに相談しよう
マネプロとは?

特定の金融機関に偏らない立場で、幅広い選択肢からお客様に最適なものをご案内する“おかねのプロ“です

関連記事

Page Top