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最新のペアローン団信とは?メリット・デメリットをわかりやすく解説

住宅ローン

監修者
監修者増田 諒

全国に約900世帯、約1,300名のクライアントを抱えるファイナンシャルプランナー。

年間100世帯を超える個別相談を行いながら、「ライフプランニング」「資産運用」「保険」「確定申告」「住宅ローン」「相続」等のテーマのセミナーで人気講師を務める。

【保有資格】
・MDRT入賞7回 ・TLC(生命保険協会認定FP) ・CFP ・IFA(証券外務員1種) ・ファイナンシャルプランニング技能士1級 ・宅地建物取引士 ・貸金業務取扱主任者

 

1はじめに

近年、共働き夫婦の増加にともない、「ペアローン」で住宅ローンを組む家庭も増加しています。今までは、「ペアローン」で住宅ローンを組んだ時も、単独で住宅ローンを組むときと同じように団信に夫婦それぞれで加入する必要がありました。そのため、夫婦どちらかに万が一のことがあった場合でも残された方のローンは残り続けることが不安視されていました。そんな中で新たに登場したのが「ペアローン団信」です。

「ペアローン団信」は夫婦どちらかに万が一のことがあった場合、残された方のローン残債も免除されます。今回はペアローン団信の基本知識やメリット・デメリットについてご紹介いたします。ペアローンで住宅ローンを組むことを検討されている方は参考にしてみてください。

2ペアローン団信の基礎知識

ペアローン団信についての説明をする前に大前提としてペアローンと団信について説明します。

2-1ペアローンとは

ペアローンとは、夫婦が一つの物件に対し、それぞれがローン契約を行い、お互いに担保提供者兼連帯保証人になる借入方法です。

ペアローンでは主たる契約者が夫婦の両者であるため、契約者それぞれの収入が、住宅ローンの審査基準になります。

そのため、対象となる物件はペアローンを組む2人の共有名義となり、持ち分に関しては住宅購入資金の負担割合がそのまま適用されるケースが多いです。

2-2団信とは

団信(団体信用生命保険)とは、住宅ローンを借りた人が亡くなった場合と高度障害状態になった場合に、生命保険会社が住宅ローン残高に相当する保険金を銀行に支払い、債務の返済に充てる仕組みです。

住宅ローンの借り入れに際しては、ほとんどのケースで団信への加入が条件とされています。

2-3団信のメリットと注意点

団信に加入することで得られるメリットと、注意すべき点について詳しく見ていきましょう。団信は住宅ローンを組む際の重要な保険ですが、その特性を理解しておくことが大切です。以下に、具体的なメリットと注意点をまとめました。

 【メリット】

・もしもの時に家族の生活を守れる
住宅ローン契約者に不測の事態があっても、団信に加入していれば残された家族は住宅ローンの残債返済の心配をすることなく、引き続き家に住み続けることができます。

 【注意点】

・健康状態によっては加入できない可能性がある
団信に加入する際は、通常の生命保険と同様に健康状態の告知が必要です。健康状態が良くない場合や持病がある場合は加入できない場合もあります。また、住宅ローンを借入れる際に団信への加入を条件としている金融機関がほとんどです。団信に加入できなかった場合は住宅ローンの借り入れが出来ないので注意が必要です。

・加入後に契約内容の変更は不可
一般的に、一度加入した団信の契約内容は変更できません。新しく特約を追加することや、付けている特約を解除することは不可です。加入時に自分に合った契約内容かをしっかりと確認しておくことが大切です。また、借換をする際はこれまで契約していた団信は借換と同時に契約解除となるため、借換先の金融機関で新たな団信に加入する必要があります。その際に、再度健康状態の告知が必要です。最初に住宅ローンを組んだ時と健康状態が変わっている場合、新たな団信には加入できないケースもあるため注意が必要です。

2-4ペアローン団信の特徴と基本的な仕組み

ペアローン団信とは夫婦のどちらかが亡くなってしまった場合、なくなった本人だけでなく残された配偶者分の借入残高もゼロになる団信のことです。

一般団信の場合、夫婦のどちらかに不測の事態があっても、配偶者の返済は続きます。しかし、ペアローン団信の場合、夫婦のどちらかに不測の事態があった場合は配偶者の返済が免除されます。万が一死亡してしまった場合、配偶者の経済的負担を軽減することができます。 

3ペアローン団信のメリット

ペアローン団信に加入することで、夫婦どちらか一方に不測の事態が起きたときの経済的なリスクを大幅に軽減できます。以下に、ペアローン団信の具体的なメリットについて詳しくまとめました。

【ペアローン団信のメリット】

・万が一の時の安心感
一般団信の場合、亡くなった本人の返済は免除されますが、その方の配偶者の返済は続きます。そのため、家庭内の収入は減ってしまい、生活が苦しくなる可能性があります。しかし、ペアローン団信なら、亡くなった本人だけではなく配偶者の返済も免除されるため、万が一不測の事態があっても、より大きな安心感を得ることができます。

・夫婦で手厚い保障を準備できる
ペアローン団信の中には、がんやその他の疾病の保障など、基本の保障に加えて上乗せできるメニューを用意している金融機関もあります。上乗せ金利がかかるなど金融機関によって加入条件は異なりますが、メニューを上乗せすることにより夫婦でより手厚い保障を受けることができます。

4ペアローン団信のデメリット

ペアローン団信には多くのメリットがある一方で、いくつかのデメリットもあります。これらのデメリットを理解しておくことで、最適な選択ができるようになります。以下に、ペアローン団信の具体的なデメリットについて詳しくまとめました。

【ペアローン団信のデメリット】

・免除されたローンが所得税の対象となる
保障が手厚く、魅力的なペアローン団信ですが、最大の注意点は配偶者が免除されたローン分については一時所得として扱われてしまうため、所得税の対象となってしまうことです。

団信は生命保険ですので、契約者が亡くなった場合は生命保険金が住宅ローンの返済に充てられることでローン返済が免除されます。生命保険金は非課税ですので、亡くなった本人分のローンは免除されても税金はかかりません。

しかし、配偶者のローンは違います。生存者が自分にかけた保険で利益を得ているため、配偶者が免除されたローン分は一時所得の対象になります。

これにより、借入残高が多いほど納税額が大きくなってしまいます。そのため、所得税の納税資金として現金を用意しておくか生命保険に加入しておくと安心です。

・金融機関の選択肢が少ない
2024年11月時点でペアローン団信を取り扱っている金融機関は、「PayPay銀行」「みずほ銀行」「りそな銀行」の3行です。このように、そもそも取り扱っている金融機関が少ないことはデメリットの1つといえるでしょう。

・金利の上乗せが必要
ペアローン団信を使用するには年0.1~0.4%程度の金利上乗せをする必要があります。月々の返済金額が高くなる可能性がありますので注意が必要です。しかし、ペアローン団信を使用する際もベースとなる金利を低いものにすることで返済負担を抑えることができます。住宅ローンを組む際はしっかりと比較・検討をすることが大切になります。

5一般団信との違いと注意点

ペアローンを利用する際における、ペアローン団信と一般団信との一番の違いは夫婦のどちらかに万が一のことがあった場合の保障内容です。ペアローン団信の場合、もう一方の返済も免除されますが、一般団信では残された側の返済はそのまま続きます。ペアローンを利用する上で、ペアローン団信を使用するとより安心感のある保障を受けることができます。しかし、ペアローン団信を使用する際は上乗せ金利をする必要があり返済負担が増えてしまう可能性がありますのでよく検討するようにしてください。一般団信でも保障を手厚くする際は上乗せ金利が必要ですが、ペアローン団信の場合はガン保障などついていない一般のプランでも上乗せ金利が必要です。

一般団信 ペアローン団信
保障内容 《死亡orがんの場合》
本人の支払いは免除されるが、配偶者分は免除されない
《死亡orがんの場合》
本人の支払いだけでなく配偶者分も支払いが免除される
上乗せ金利

基本的には必要なし
(年齢や健康状態・保障内容等で必要な場合もあり)

必要
(保障内容によるが0.15%~0.40%程)

6まとめ

今はまだ3行しか取り扱っていないペアローン団信ですが、今後多くの金融機関が取り扱いを開始すると予想されています。金融機関によって特約や上乗せ金利等が違いますので違いをしっかり見極めて自分に合ったプランを見つけることが重要です。

自分に合ったブランを見つけるためには、譲れない条件を一つ決めておくと良いです。例えば、「低い上乗せ金利で加入したい」「多少金利が高くなってしまっても手厚い保障が欲しい」など選択する軸を決めておくことが大切です。

今回の記事ではペアローン団信の基礎知識やメリット・デメリットを紹介しました。次回の記事では今回の記事を踏まえたうえで、「どのようにプランを選んだらよいのか」や金融機関ごとの具体的な比較を紹介いたします。ぜひ参考にしてみてください。

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